あさがお


朝顔に つるべ取られて もらい水(加賀千代女)
アサガオはヒルガオ科サツマイモ属の1年生植物、原産地はサツマイモと同様、中南米です。
日本へは、奈良時代に遣唐使が薬用として中国より持ち帰り伝わりました。
アサガオの名前は、朝に咲くため名付けられたものです。
古くは、桔梗やむくげ木槿、ひるがお昼顔など朝に咲くきれいな花を多く「朝顔」と呼ばれましたが、いつの間にか、「朝顔」の名は、帰化植物であり新参者の、このアサガオを示すようになりました。
 奈良時代に伝えられて長い間、薬用として栽培されてきました。
野生に近い品種では、多くは青色の単色、一重のものですが、時折、突然変異の珍しい色・形をあらわすことがあります。
江戸時代、品種改良が盛んに行われました。
花の色、八重咲きや絞り、花びらの形、大小などの特徴を選別して系統を分け、これを交配させる。
更に、突然変異の変種を交配させて新品種を作る。
黒や黄色など、今では伝えられていない品種も多く記録されています。
今で言うF1交配種のように、形態の同じ種子のできない品種も多く、その美しさと希少さのため高価で取引され、アサガオの大ブームが文化・文政の頃、江戸・上方で起こったととのことです。
 この頃から、始まったのが朝顔市。関東では今でも、七夕の頃、各所で朝顔市が開かれます。アサガオが七夕の頃に咲き始めるのと、牽牛にちなんで行われます。
中国ではアサガオを「牽牛」アサガオの種子を「けんごし牽牛子」と呼びます。
牽牛子は下剤、むくみ取りの生薬として用いられてきました。効き目が強く、非常に珍重され、牛をひ牽いて交換のお礼に贈ったとの言い伝えからとされています。昔は、黒い種子を「黒丑」と呼び薬効が速く、白い種子は「白丑」と呼び、やや緩いとされていましたが、現在では区別をしては用いられていません。
「七フク」という和漢薬の丸剤があります。他の漢方薬と配合しての製剤が今でも用いられています。ただ、牽牛子は本質的には、効果は強く、しぶり腹を生じ易く、妊婦や虚弱者には禁忌とされているため日本の漢方ではあまり用いられなくなりました。
朝に咲くから「アサガオ」のはずですが、メキシコの野生のアサガオでは午後に花を咲かす物もあるとのことです。さすがはシエスタ(昼寝)の国です。
これらと交配して、ゆっくりと昼過ぎから花をつける品種も開発されているとのことです。
これを文化交流と言うのでしょうか?

(2011年8月号ピーネット掲載)

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