ジャノヒゲ

 

2012年は辰年。昇り竜の如く、明るく良い年を迎えたいものです。
リュウノヒゲは「ジャノヒゲ」とも呼ばれ、園芸・緑化では玉竜(タマリュウ)などの改良種が多く用いられています。
ユリ科ジャノヒゲ属の多年生常緑植物。東南アジア原産です。林の中や、道端の斜面にも自生する実に強健な植物です。耐寒・耐暑性にすぐれ、少々の日照りにも耐えられるため、公園や大きなビルのグランドカバーに、また、駐車場のコンクリートの隙間での緑化にも用いられています。
逆に、日当たりの悪いところでも育つため、坪庭や日本庭園の庭木の根じめにも用いられています。
冬場の公園では、植え込みの縁取りでの青々とした姿が目立っています。
リュウノヒゲと名づけられたように、細い線状の葉が特徴です。そして、今の季節には、5_ほどの「龍の玉」ともたとえられるコバルトブルーの美しい実をつけています。実のように見えますが、正体は種子。投げつけるとよく弾むのが特徴です。
よく似た植物にヤブランやヒメヤブランがありますが、これは黒い実が成り、投げつけても、さほど弾みません。
リュウノヒゲを冬から春先に掘り上げると、根の所々に、へびが獲物を飲み込んだようにぷくっと膨れています。サツマイモの根が太ってくるのと同じで、塊根部に栄養分を貯めての姿です。
春先に堀り上げて塊根部を採取したのち、再び地上部を植えると、次の年も塊根部が採取できます。サツマイモのツルを植えて育てるのと同じでしょうか。
この塊根部を「麦門冬」(バクモントウ)といい漢方薬に用いられます。
 効能は潤肺・止咳・補陰。肺を潤して咳を鎮め、水分の不足を補う働きがあるとされています。
この麦門冬を主役にした漢方薬が「麦門冬湯」。煎じ薬で飲むと実においしいお薬です。
これには麦門冬をはじめ、6つの生薬から組み立てられています。
麦門冬湯は、痰のからむ激しい咳や声枯れに用いられます。それも、風邪をひいて少し時間がたち、熱はなくなったものの、食欲もなく、痰が絡んで苦しい咳が出る。といった時に用いられます。麦門冬はのど潤しながら痰を切れ易くします。朝鮮人参とナツメ・玄米は胃腸の働きを補ってのどに潤いを送れるようにします。甘草は荒れたのどを鎮め、半夏はのどのイガイガ感を除いてくれます。
このように、漢方では、多くの生薬を組み合わせて用います。また、また、咳でも、どのような経過のあとで出るようになった咳か。また、どのような時に出る咳かを考えて処方が決められます。これが、民間薬と漢方薬とのちがいです。
昔、宝塚音楽学校の生徒さんが試験の前で声が出ないといって来られ、お作りした事がありました。

公園でコバルトブルーの小さなドラゴンボールを集めてみませんか。
小さな願い事なら叶うかもしれません・・・。


(2012年1月号ピーネット掲載)

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