おおばこ


おおばこ
オオバコは生命力の強い植物です。
運動場や道端で、また玄関先のわずかな所にも元気に生えています。
漢方では「車前草」と呼びます。人や牛車などの通る所でも、轍(わだち)にも負けず生えている事から名付けられました。人の踏みつけの多いところに良く生えるといわれています。
「踏み跡植物」とよばれていますが、オオバコは踏みつけのある所が良い住み家となります。
大葉子という名の通り、広く大きな葉ですが、葉はしなやかで強く、葉の茎にある水や養分の通り道(維管束)には丈夫な繊維が取り囲んで通り道を守っています。
また、オオバコの葉は地面ギリギリから出て背丈は低く育ちます。
人が通らなくなり踏みつけがされなくなると背の高い植物に囲まれ光を得ることが出来なくなってしまい、負けてしまい枯れて行きます。
 また、オオバコの種はケシ粒のように小さく、粘着性があるため、人の靴底や動物にくっついて運ばれます。
逆境にもめげない、逆境だからこそ強く生きるたくましい植物です。敬服すべき「雑草」でしょう。
オオバコは山菜料理として、おひたしや天麩羅で食べられた方もあるかと思いますが、民間薬・漢方薬としても良く用いられます。
 オオバコの全草を車前草(しゃぜんそう)、種子を車前子(しゃぜんし)と呼びます。
咳止めには、乾燥した車前草を1日量10グラムに甘草(かんぞう)を3グラム加えて0.5リットルの水を加えて、煎じながら約半量まで煮つめたものをこして、3回に分けて食間に服用します。
 車前子は尿の出渋りや排尿痛に五淋散(ごりんさん)や竜胆瀉肝湯(ごりんさん)として、また排尿回数の多い時に牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)に配合して用いられます。特に牛車腎気丸は夜間尿の方に良く効きます。
腎気とは、漢方でいう腎(泌尿生殖器)の働きを高める、元気や精力をつけるという意味です。腎虚(泌尿生殖器の衰え)をともなう高齢の人に用いられます。
冷えをともなう「寒証」向けの方剤です。体力が充実し、暑がりで、のぼせのある人には不向きです。また、胃腸がひどく弱っている人も避けたほうが無難です。

(2011年7月号ピーネット掲載)

閉じる