すみれ


♪すみれの 花咲く頃・・・・ 
春を迎え、野に山に命の息吹を感じる季節となりました。
すみれの花は、腰を下ろして見なければ見過ごすほど小さな花ですが、道端でたくましくも可憐にいつもの春を告げてくれています。
スミレはスミレ科スミレ属の総称。世界中で400種類、日本でも50種以上あるとされています。スミレには花びらが5枚。上に2枚、横に2枚、下に1枚の花びらがあります。
下にある花びらがスミレの特徴です。ほかの花びらと異なり、色や形も鮮やかです。
そして、花の後ろ方向に袋状に膨らんでいます。この袋状に膨む形が、大工道具の「墨入れ=墨つぼ」にも似ていることから「スミレ」の名が付けられたとのことです。
 袋状の花びらの中には、雄しべと雌しべが隠されています。蜜を食べ荒らされないように、そして、特定の蜂にのみ効率的に受粉されるように、深く袋状に進化したものと考えられています。
また、色や形も鮮やかですが、これも、受粉をしてくれる蜂に目立つように進化したものと考えられています。
この花びらの多様性が、パンジーやビオラをはじめ、多くの園芸品種を生み出す素となりました。
スミレはヨーロッパでも古くより親しまれ、ギリシャ神話の中でも多く見られます。
特にニオイスミレは香水に用いられるほか、リラクゼーション・ハーブとしても人気があります。
漢方では、スミレの全草を「紫花地丁(シカジチョウ)」と呼び、清熱解毒、涼血消腫の目的で用います。日本の漢方ではあまり用いられることはありません。
来日中の南京中医学院、王教授の話では、中国では多く用いられ、日本の漢方であまり使われないのが不思議とのことでした。スミレの地上部の乾燥したものを1日に20g〜30gと多くの量を用います。同じく春の花であるスイカズラや連翹、タンポポと組み合わせ、赤くてかゆみの強い皮膚病・ニキビなどの治療に用いられるとのことです。
また、四国などでは民間療法として、スミレの葉を揉みつぶし、頭や背中の腫れ物にあてて用いられています。
東北・北関東地方では、巨大津波が、家や車をはじめ、多くの尊い命まで、全てのものを流してしまいました。
心よりお見舞い申し上げます。
道端で咲くスミレの可憐な花を、心穏やかに眺められる日が早く来ることをお祈り申し上げます。
花言葉:小さな幸せ

(2011年4月号ピーネット掲載)

閉じる